「優越感」も「劣等感」も、
人それぞれ、度合いは違うと思いますが、
多くの方々に心当たりのあるものではないかと思います。
『広辞苑』で、「優越感」を調べると、
「自分が他人よりすぐれていると思う快感」
と書いてありました。
同じく、『広辞苑』で、「劣等感」も調べると、
「自分が他人よりおとっているという感情」
と書いてありました。
子どもの頃に、
親に「○○ちゃんは、すごいわね」
と褒められ、優越感を味わう、という経験は、
自分に自信をもつようになる、
という意味では、いいことなのかもしれません。
ただ、親は、「謙遜」も、子どもに教え、
また、他の人よりも優れているところがあるならば、
その分、「人を助けること」などに、それを振り向けることを
教えるといいのではないか、と私は思います。
逆に、「○○ちゃんは、ダメね」
と言われて、劣等感を抱いてしまう、という経験は、
自分に自信がもてないようになってしまいかねないので、
慎むべき発言であろうと思います。
また、優越感も、劣等感も、
経験がないまま大人(と呼ばれる年齢)になり、
何となく自信のない大人になってしまっている、
ということもあるだろうと思います。
私は、
①「優越感」を経験したものの、「謙遜」を知らない人
②「優越感」も「劣等感」も、経験していない人
③「劣等感」のみ経験した人
という人たちが、社会人になって、
周囲の人とうまくいっていなかったり、
落ち着いた気持ちをもてないまま、日々を過ごしているのではないか
と考えています。
①の「優越感」を経験したものの、「謙遜」を知らない人は、
人に、「すごい」と言ってもらうことを求め続けていて、
たとえ誰かに言ってもらっても、また言ってもらいたがるという、
満足することがない状態にあるのではないか、と私は思います。
②の「優越感」も「劣等感」も、経験していない人は、
不安定な状態にあり、
自分の思った通りでいいのか、
人の言った通りにするのがいいのか、がわからず、
結局、「自信」がないから、
人の言った通りにしているのではないか、と私は思います。
③の「劣等感」のみ経験した人には、2パターンあって、
・とにかく「自信」がもてず、自分を「ダメ人間」のように
思っているパターン
・自信をもてずにいる自分に、(おそらく)気づいておらず、
しかし、高飛車な態度をとったり、人の揚げ足を取ったり、
部下や後輩をさげすんでみたりすることで、
自分を「価値のある人間だ」と周囲の人に知らしめようとする
ことを、ついやってしまうパターン
があるのではないか、と私は思っています。
そして、
①の人については、「謙遜」を知ればいいのだと思います。
②と③の人については、
「自信」がもてるようになればいいのだと思います。
①~③の人たちは、何かと苦しんでいらっしゃるのではないか
と思いますので、
その苦しさから、自分の状態に気づき、
現状を変える試みをしようとするならば、
とてもいいことだと思います。
しかし、気づいていない人たちは、
そのままになってしまう可能性があります。
「あなたは、現状を変えたほうがいいと思いますよ。
そのほうが、楽になると思いますよ」
と、言えるものなら、言ったほうが親切だとは思います。が、
しかし、これを言うのは、なかなか難しいものがあると思います。
言いにくい、ということもありますが、
こちらの真意が、そのまま伝わるのか、という心配もあります。
そこで、私は、特別なことをするのではなく、
普通に、ごくごく普通に接することで、
現状からの変化を促す、というのはどうかな、と思うのです。
①~③の人たちは、それぞれ、状態が違いますが、
どの人たちに対しても、私のしようと思うことは同じで、
日々の中で、
「すごい、と思ったら、すごいと言う」
「すごい、と思っていないなら、すごいとは言わない」
「よくない、と思ったら、よくないと言う」
をするのです。
これは、①~③の人たちに、
「この場合は褒められた」
「この場合は褒められなかった」
を知ってもらい、
また、
いつも、褒めてもらえるわけではないこと、
いつも、ダメ出しされるわけではないこと、
に気づいてもらい、
ご自分を省みてもらうことが狙いです。
ただ、例えば、会社の上司や先輩に
よくないと思ったからといって、「よくない」は言えない、
ということであれば、言わなくても、いいと思います。
しかし、「いいですね」とは、言わないでほしいです。
非常に時間のかかることだとは思いますが、
私は、そういうふうに、やっていこうと思います。
「優越感」に浸りたがる人たちが「謙遜」を知り、
そして、
「劣等感」で気分がふさぎがちだった人たちが
「自信」をもつことで元気になれば、
周囲の人も含め、みんな、明るい日々を過ごせるようになる
と私は信じて、やってみます。
お読みくださいまして、ありがとうございました。