世の中の観察日記

世の中を見て、思ったこと・考えたことを自由につづって参ります。このブログを読んでくださる方々と、「安心」を共有することを望んでいます。

年金機構の情報流出の対応に、税金が使われることについて。

日本年金機構の個人情報が流出した事件は、

まだまだ、現在進行形の事件ですね。

 

今回の事件は、年金機構の職員が、

ウィルスメールを開封したことから始まったことだと思いますが、

職員に対する注意喚起の遅れで感染が拡大したり、

問題が発覚後も、

インターネットの接続が遮断されていなかったことなどもあって、

年金機構の「ずさん」な管理が露呈した形となりました。

 

現在、問い合わせのためのコールセンターが設置され、

お詫びと共に事情を知らせる郵便物の発送がなされているそうですが、

この対応にかかる費用等は、「税金」でまかなわれていますよね。

 

対応をしないわけにはいきませんから、

お金が必要になるのは、わかります。

 

しかし、まず、「ずさん」な管理をした人たちでまかなって、

次に、どうしても足らない部分を「税金」で、

という順番に、私はしてほしいです。

(もちろん、本当は全面的に「税金」を使ってほしくはないですが。)

 

一番悪いのは、ウィルスメールを送ってきた「犯人」ですから、

年金機構にも、被害者たる側面はあると思います。

 

しかし、「ずさん」な管理をしていた面について、

年金機構は、責任を免れることはできないでしょう。

 

この、年金機構の責任は、事実の解明、今後の対策など

いろいろなことが考えられますが、

私が、現段階で一番物足りなさを感じるのは、

「誠意」が見えてこないところです。

 

例えば、この度の事件対応に「税金」を投入するにあたり、

年金機構の方々が

「われわれの給与を、対応費用にあててください」

という「自らの申し出」があれば、

私は「誠意」を感じるだろうと思います。

 

もし、年金機構の方々が

「われわれの給与を、対応費用にあててください」

と自ら言ってきたら、

国民も、

「あなたたちの生活もあるでしょうから、少しは税金が使われても

仕方ないわよねぇ」

というような気持ちに、少しはなるのではないか、

という気が私はします。

 

「ずさん」な管理をしてきた人たちは、今、にらまれながら、

日々を過ごしていらっしゃると思いますので、

それなりに、制裁のようなものを受けているとは思います。

 

しかし、自ら「私のお金を使ってください」という姿勢が見えたら、

日本国民の多くは、軟化した態度になるのではないか、

と私は思うのです。

 

話は、少し変わりますが、

私は、何年か前に、ある百貨店の休憩所のようなところで、

ジュースを飲もうとしていたとき、

60歳代の男性に声をかけられました。

 

その方は、仕事がなくて、

病気をしたことがあって体力に自信がない、

一部屋を借りて住まいにしているけれど、

お金がなくて、今日も、電気代がかかるといけないから

外に出てきている、

と言うのです。

 

私が、「市に相談に行かれましたか?」と尋ねると、

その男性は「行ったけど、働けとしか言われなかった」

とおっしゃっていました。

 

また、その男性は

生活保護っていうのは、年をとれば、通知が来るのか?」

と言うので、

私は「あれは、年齢で通知が来るものではなくて、申請しない限り

もらえるものではないですね。」

と言うと、

その男性は、「いや、もう何度も市に行って、

生活保護をお願いしたけど、働けるでしょうって言われちゃうんだ。

もう、首つって死ぬしかない」

と言っていました。

 

おそらく、この男性は、

ある年齢になると生活保護の通知が来ると思っていたけれども、

その年齢になる前に、自分の生活がままならなくなってしまったので、

市に相談に出向いた、

ということだったのだと思います。

 

その頃の私には

「もう一度、市に出向いて、首をつって死ぬしかない、ということも

伝えてみてください」

と言うのが精一杯でした。

(あとで、法務局に人権相談に行くのもよかったかもしれない、

と思いました。その時、思い浮かばなかったのが残念です。)

 

時々、生活保護の不正受給が問題になることがありますが、

本当に苦しんでいる人に給付がなされていないこともある、

というのを、目の前で見た、という気がしました。

 

生活保護は、やはり「税金」でまかなわれている制度であり、

市が「出し渋る」とよく聞きます。

嫌味の一つどころではなく、

申請者が「じゃあ、もういいよ。いらないよ」

と言いたくなるようなことを言ってくると聞きます。

 

本当に苦しんでいる人に給付がなされていないわりに、

この度の、年金機構の個人情報が流出した対応に「税金」が

あっさり投入されることは、

「あまりに、出し渋った様子がない」

というふうに、私には見えてしまいます。

 

他に手立てはないのか、という検討をしていないのではないか、

と言いたくなってしまいます。

 

これでは、政府が「身内には甘い」と言われても仕方がないでしょう。

 

例えば、私は、政府なり、年金機構が、

「税金から、お金を借りる」

という発想で、

「10年くらいの分割で、借りた税金を、国民の皆様にお返しします」

とするのはいかがかな、

と思うのですが、いかがでしょうかね。

(因みに、国債の発行でまかなうという考えではダメだと思います。)

 

私は、日本国民の多くが、誠意のある態度を見ると、

それに見合う態度をとるのではないか、と思います。

 

だから、国民が納得するような、誠意のある姿勢を、

政府を始め、年金機構の方々にも、

「見せてほしい」、と私は思います。

 

 

お読みくださいまして、ありがとうございました。