世の中の観察日記

世の中を見て、思ったこと・考えたことを自由につづって参ります。このブログを読んでくださる方々と、「安心」を共有することを望んでいます。

「毎日」について。

今日は、私が思っている「毎日」について、

述べさせていただこうと思います。

 

時間を大事に思っている方々にとって、

「毎日」は、やはり、大事な日々だと思います。

 

私も、大事に思っております。

 

その毎日の中で、

火事のような緊急事態が発生した場合などに、

そこで発揮される、

日常では到底考えられないもの凄い力のことを

「火事場のバカ力」というと思います。

 

夢中になって、一生懸命になった時に、

不思議な力がはたらくということもあると思いますが、

「火事場のバカ力」は、

その人が「もともと持っている力」なのである、

とも聞きます。

 

この「火事場のバカ力」を毎日発揮してしまうと、

人は、非常に短命になるようです。

 

ということは、

人のからだは、日頃から力を蓄えておき、

いざという時に「火事場のバカ力」を発揮する、

という具合にバランスをとりながら、

自分の命を長命にしよう、

としているのだと思います。

 

ですので、例えば、

「今日はゆっくり過ごした」とか、

「今日は何もしなかった」とか、

そういう日があるのは、

「いざという時」にそなえて、

(自分の知らない間に)「力を蓄えている」

ということなのかもしれません。

 

それとは逆に、すでに何かを成し遂げて、

いっぱい力を使ったので、

「今、休んでいる」「力を取り戻している」

ということもあると思います。

 

また、思い通りに過ごせなかった日々を振り返って、

「私は怠けているだけなのではないか」

と自分に問うこともあると思います。

 

しかし、怠けるタイプの方が、

そういう問いかけをご自分になさるとは、

私は思いません。

 

また、例えば、

(いつかはわからないけれど)すごい力を発揮するであろう日や、

(いつなのかわかっている)すごい力を発揮したい日など、

そういう大事な日を、「出番の日」と呼んで、

その他の日は「出番に備えている日」と呼んでみると、

「出番に備えている日」が、

「出番に備えている」という役割を担った日として、

力を蓄えるための「大事な日」に思えて参ります。

 

ここで、私が愛読している本の一つである、

中国の古典『菜根譚(さいこんたん)』の中にある言葉を

ご紹介させていただきたいと思います。 

 

岩波書店菜根譚』P306より)

[訳文]を先にご紹介させていただきます。 

  鳥の中でも、長く伏せていて力を養っていたものは、いったん飛び上がると、必ず外の鳥よりも高く飛び、また、花の中でも、早く花を開いたものは、必ず外の花よりも早く散る。この道理をわきまえておれば、中途であし場を失ってよろめく心配を免れることができ、また、成功をあせる気持を消すこともできる。 

 

[読み下し文]は次の通りです。

  伏すこと久しきものは、飛ぶこと必ず高く、開くこと先なるものは、謝すること独り早し。此れを知らば、以て蹭蹬(そうとう)の憂いを免るべく、以て躁急(そうきゅう)の念を消すべし。

 

つまり、

「長く力を蓄えていた鳥が飛び立つときは、必ず高く飛ぶ」

のであり、また、

「早く咲いた花ほど、早く散っていく」ということは、

「遅く(力を蓄えてから)咲く花は、実り豊かに長く咲く」

ということだと思います。

 

「うまくいかないときは、無理に動かず、力を蓄えるとき」

と聞くことがあります。

 

「力を蓄える日」には、

「リラックスの日」「リフレッシュの日」のほか、

「考える日」や「学ぶ日」、「試行錯誤の日」なども、

該当するように思います。

 

出番の日も、出番に備えている日も、

その日数は人によって違うと思いますが、

いずれにしても、

「毎日」とは、

「出番の日」と「出番に備えている日」で構成されている

「大事な日々」である、と私は思います。

 

 

お読みいただきまして、どうもありがとうございました。

 

引用・参考文献

菜根譚』洪自誠、今井宇三郎(訳注) 岩波書店

 菜根譚 (岩波文庫)