「謙虚」とは、へりくだること、控えめなこと、であると思います。
「謙虚」は、一般に、よいこととして理解されていると思います。
私も、「謙虚」であることは、よいことだと思っています。
しかし、現実社会の中での「謙虚」を見ると、
どうも、うまくいっていない、
と思うことがあります。
まず、謙虚な人を「自信をもっていない人」
と勘違いする人がいる気が私はします。
勘違いをしたであろうその人は、ある謙虚な人に対し、
まるで小さな子どもを相手にしているように、接していました。
また、謙虚な人は「社交性がない」と勘違いする人もいる気がします。
静かな人というイメージがあるからか、
積極性がないように、思われてしまうこともあるようです。
「謙虚」な人は、相手を立てている、と思うと、
むしろ「社交的」だと私は思います。
私は、相手に、一歩譲ったら、
相手が、一歩前進してきてしまった、
という経験があります。
私が一歩譲ったのは、
譲り合えるかな、と思ってのことでしたので、
「何でも譲ればうまくいくわけでもなさそうだ」
と思いました。
このときから、私は、
場合によっては、こちらの謙虚が、
相手に、まちがった行動をとらせてしまうこともあるのかもしれない、
と思うようになりました。
もちろん、だからといって、
こちらが横柄になってうまくいくことは、ほとんどないと思いますが。
そこで、私が思ったのは、
「謙虚」は、へりくだるばかりではなく、
相手に、まちがった行動をとらせてしまう可能性があるとき、
こちらから、あまり謙虚な態度を見せない、という「謙虚」も
あるのではないか、ということです。
「謙虚」は、相手を思って、自分の行動を調整する行為であり、
自分もまちがった行動をしないように気をつけながら、
相手もまちがった行動をしないようにと配慮すること、も指す
と私は思うのです。
私は、「謙虚」といったら……と考えると、
すぐに、脳裏に浮かぶ人がいます。
その人は、確かに、「柔軟性」のある、「臨機応変」な人で、
やはり、あの人は「謙虚な人」だ、
と、つくづく思いました。
本日も、お読みくださいまして、ありがとうございました。