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世の中の観察日記

世の中を見て、思ったこと・考えたことを自由につづって参ります。このブログを読んでくださる方々と、「安心」を共有することを望んでいます。

未来に、戦争を起こさないことについて。

これまで、原爆の惨禍を伝える本を何冊か読みました。

 

そのうちの1冊に、

こうの史代さんという広島市ご出身の方が描かれた漫画で、

『夕凪の街 桜の国』という本があります。

 

こうの史代さんは、この本のあとがきに

「わたしは広島市に生まれ育ちはしたけれど、被爆者でも被爆二世でも

ありません。被爆体験を語ってくれる親戚もいません」

と書かれています。

 

また、(同じくあとがきに)

「原爆」にかんするものは避け続けてきた、ということ、

そういう問題と、無縁でいようとした自分を、不自然で無責任だと

心のどこかでずっと感じていた、ということを述懐されています。

 

そして、『夕凪の街 桜の国』を描いたそうです。

 

構成は、「夕凪の街」「桜の国(一)」「桜の国(二)」

となっています。

 

この中の、「夕凪の街」のお話を、

少しご紹介させていただきたいと思います。

主人公の皆実(みなみ)さんは、被爆したものの生きのこりました。

 

しかし、あの日、

塀の下の級友に「助けを呼んでくる」と言ったまま戻れなかった……。

「水をください」「助けてください」という声があったけれど、

自分は何人もの人を見殺しにしてきた……。

 

いつのまにか、死体を平気でまたいで歩くようになった……。

 

皆実さんは、すべてが忘れられません。

 

そして、原爆投下から10年を迎えた頃、

皆実さんに、好意を寄せる男性が現れます。

 

皆実さんは、うれしく思うのですが、

どこからか、「お前の住む世界はそっちではない」

という声が聞こえてきて、

最初は、彼と向き合うことができませんでした。

 

しかし、あるとき、決心して、彼に心を開くようになります。

 

彼は、皆実さんに

「生きとってくれてありがとうな」

と言いました。

 

ただ、被爆してから10年。

皆実さんのからだに変化が起こります。

 

ある朝、足が立たなくなっていた。

 

何も飲み込めなくなった。

 

夜遅く、真っ黒な血を吐いた。

 

  黙って、手を握ってくれる人がいて、

  それは知っている人の手だった。

 

「髪も抜けとるのかも知れんが触って確かめる気力もない

あしたにしよう………………あした………」

 

てっきりわたしは死なずにすんだ人かと思ったのに。

 

「夕凪の街」は、このようなお話でした。

 

戦争は、他人事ではない、ですよね。

 

戦争は、恐ろしく、悲しく、虚しい……ですよね。

 

すでに起きてしまった戦争で、亡くなられた方々の命が、

私たちに教えてくださっていることを、

無視することがあってはならないと思います。

 

すでに起きてしまった戦争で、亡くなられた方々の命が、

尊いものであることを、

私たちが、「わかった」ことになるのは、

私たちが、「未来に戦争を起こさない」ことでしかない、

と私は思います。

 

 

お読みくださいまして、どうもありがとうございました。

 

引用・参考文献

『夕凪の街 桜の国』こうの史代 双葉社

 夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)